自然農の教本で紹介されているのは、だいたい以下の2点。
- 基本は南北
- 高低差がある場合はそれに沿って
南北にする理由は、日当たりの関係から。
南北に畝を作ることで、東→南→西と万遍なく畝上に陽光があたるという理屈。
が、しかし。
その理屈はわかるのだが、浅見園の畑は南北に細長い形状をしている。
具体的には、東西に約25m×南北に約350m。
そのため、南北に畝を作るよりも、東西に畝を作ったほうが整って見える(私の感覚上)。
つまり何を言いたいかというと、
基本は南北に作るべしとされているけど、東西の方が整って見えるんだよなぁ…
じゃあ東西畝も作って使い勝手を検証しよう!
ということである。
こんな経緯で、浅見園の畑には南北畝と東西畝が混在している。
基本のサイズはこちらでも紹介したとおり、畝幅1.2m+通路幅0.4m。
一応、東西畝にしたところはそこまで背丈の高くならないもの、
じゃがいもや葉物などを想定している。
支柱やネットを必要とするトマトやきゅうりなどは南北畝のほうが良いかなと。
…と、ここまで「基本は南北畝が良い」という原則に則って話を進めているが、正直ここにも疑問が浮かんでいる。
というのも、植物の栽培は採光よりもホルモンの移動が重要である、と主張する人がいるから。
もう少し詳しく書くと、、、
植物が光合成するのに必要な光量は、品種にもよるけれど、曇り空くらいの日差しでよく、それよりも植物ホルモンがスムーズに移動できるようにしてあげた方が、野菜は元気に育つ
というのがその人の主張である。
これに従うなら、南北畝だろうが東西畝だろうが、曇り空くらいの採光は確保できるので、畝の方向はさして重要ではないことになる。
こちらについても、今後浅見園で検証していく予定。
ああ、あと畝の方向に関して、浅見園で観察できたとある現象について説明しておく。
それは、畝の北側が崩れやすいということ。
もう少し正確に記述すると、草の生えが不十分な畝は北側が崩れやすい。
冬場に起こる現象である。
南北・東西に関わらず、畝の北側の縁が崩れるのである。
南側や東西側の縁は無事なのだが、なぜか北側の縁だけが崩れやすい。
この理由は恐らく、霜の溶けるスピードであろうと推測している。
畝の北側の縁は、他の縁と比べて日差しが当たりにくい。
ゆえに、霜が降りる季節になると、北側の縁だけ溶けるスピードが緩やかになり、その間に崩れていくのだろうと予想している。
まだ確証が得られたわけではないが、草がしっかり生えている畝では見られない現象なので、可能性は高いと思っている。