備忘録的メモです。
菌根菌の種類とその働きについて調べたことをまとめたので、興味のある人はご覧ください。
菌根菌の種類
菌根菌には主に以下の5種類があるようです。
- 1:アーバスキュラー菌根菌
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多くの陸上植物と共生し、植物の根の内部に入ってアーバスキュール(★次の段落で詳しく説明)と呼ばれる構造を形成。
この構造を通じて植物と養分の交換を行い、特にリンの吸収を助ける役割が重要。
作物栽培で良く出てくるのは、多分これ。
- 2:エクトマイコリザ菌根菌
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主に森林樹木と共生する菌根菌で、植物の根の外側に厚い菌糸のマントを形成(根を菌糸でグルグル巻きにする)。
リンや窒素の吸収を助けることが多いらしい。
- 3:エリコイド菌根菌
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ツツジ科植物と共生する菌根菌で、エリコイド菌根を形成。酸性土壌に適応している植物に見られるらしい。
作物栽培とは無縁そうなので、興味が湧かなかった^^;
- 4:オーキド菌根菌
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ラン科植物と共生する菌根菌で、特に種子の発芽と初期成長を助ける重要な役割を果たす。
『もやしもん』でこの話は聞いたことがあった。
- 5:アルプスキュラー菌根菌
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植物の根の細胞内に菌糸を伸ばして栄養を供給。特に、鉱物質の土壌に生育する植物に見られる模様。
アルプス=鉱物質なのか?と推察。
アーバスキュールとは
アーバスキュラー菌根菌(最初に説明した菌)が植物の根の細胞内に形成する、微細で枝分かれした構造/器官のこと。
日本語を当てると、樹状(じゅじょう)とでもいうのかな。
植物の細胞内に、まるで次々と分岐する木の枝のように菌糸が伸びていて、植物と菌根菌の間で、効率的に栄養素を交換するための特化している。
アーバスキュールには以下のような特徴があって、それが植物との共生関係を築いているんだとか。
- 表面積の増大
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アーバスキュールの複雑な構造(枝分かれした構造)によって、植物と菌根菌の間の接触面積が増え、効率的な栄養交換が可能になっている模様。
- 栄養交換
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アーバスキュールを通じて、菌根菌は植物から炭水化物(主に糖類)を受け取り、代わりに土壌から吸収したリンや窒素などの養分を植物に供給している。
- 短命な構造
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アーバスキュールは比較的短期間で形成され、役割を終えると分解される模様。でも、新たに作り直されることもあるらしい。
菌根菌による土壌の健康維持
菌根菌について調べると、土壌の健康を維持する働きがあると出てくる。
が、「土壌の健康ってなんやねん」と思ったので、それについても調べてみた。
詳細を説明する前に簡単にまとめてしまうと、よく言われる土壌の健康とは以下のようなことらしい。
植物の生育に都合が良いように、土壌の物理性/生物性/化学性が適切に保たれている状態
では、土壌の健康を維持するのに菌根菌がどんな働きをしているのか?を以下にまとめておく。
1:土壌構造の改善
- 菌糸による土壌粒子の結合
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菌根菌の菌糸には土壌粒子を結びつける作用があり、団粒構造(小さな粒子の集合体)を形成する。
平たく言うと、ネバネバした物質を放出して、細かい土の粒同士をくっつける働きがあるってこと。
この団粒構造は、土壌の通気性と水はけを良くし、保水力も向上させる。
- 土壌の浸透性の向上
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団粒構造の形成により土壌に適度な隙間が生まれ、根の成長が促進される。
2:病害虫からの保護
- 病原菌の抑制
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菌根菌は土壌中で競合する微生物と空間や資源を共有し、それによって病原菌の増殖を抑制。
例えば、病原菌のエサになるようなものを仲間と独占してしまうとか、そもそも病原菌が発生するスペースを与えないとか。
あと、一部の菌根菌は抗生物質様の物質を分泌して病原菌を抑えることもあるらしい。
- 植物の防御機構の強化
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菌根菌との共生によって植物の免疫応答が強化され、病害虫に対する耐性が向上することがあるらしい。
もしかしたら、人間でいう腸内細菌のようなものかもしれない。
3:ストレス耐性の向上
- 乾燥耐性の向上
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菌根菌が植物の水分吸収を助けて、乾燥ストレスに対する耐性を高めるんだとか。
ストレス耐性については分からないけど、菌が豊かな畑の方が、水やりなしでも野菜が育つというのは実感がある。
- 塩分ストレスの緩和
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塩分ストレス下にある植物の成長をサポートし、塩分吸収の調整に貢献する働きもあるとか。
うちでは実感できないけど、塩害地域とかではあるのかもしれない?
4:炭素貯蔵
- 有機物の分解と炭素の固定
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菌根菌は土壌有機物の分解を助け、その一部を自身のバイオマスとして固定する。
バイオマスとして固定というと難しく聞こえるが、要は、我々が食事をしたら、その食べたものを自身の血肉にできますよねと言っているのと同じ(?)こと。
これにより、土壌中の炭素貯蔵量が増加し、炭素循環に貢献する。
以上が、今のところ分かっている菌根菌についての情報のまとめ。