MEMO:土壌改良するのに緑肥(炭素量)はどのくらい必要なのか?

まずこちら。

飼うというからには餌の量を知らなければなりません。通常、畑地のバイオマスは、数ton/ha(乾物量)と言われ、菌類、バクテリア、センチュウが多く昆虫やミミズはそれ程多くはありません。これは牛15頭(鶏5000羽)/haほどを飼うと同じことです(餌の消費・利用量からみて)。
必要な餌(雑草、作物残滓を含めた炭素資材)の量(畑地/年)は、最低(慣行栽培並の収穫量を得る)で、バイオマスと同量(炭素循環 例1=炭素換算3.5ton(乾物量8.8ton)/ha)。自然の循環からみた基準量は、その2~3倍量ほど。これなら作物の収量も慣行栽培の2~3倍が可能。
緑肥作物の収量と目的の作物の収量は比例します。基本的には、これだけの量を圃場内で循環させればよく、外部から持ち込む必要はありません。但し、それなりの時間を要します。もし可能なら、効率を考え必要量の一部(全部)を持ち込んだ方が得策です。

それなりの時間:
1. 緑肥(登熟させる)の栽培期間が必要である。主作物+緑肥作物/年が限度。
2. 無施肥に転換後2~3年経過しないと緑肥作物の収量=炭素固定量も十分増えない。

https://tan.tobiiro.jp/qa/qa1.html#Q9

ポイントになりそうなのは

『必要な餌(雑草、作物残滓を含めた炭素資材)の量(畑地/年)は、最低(慣行栽培並の収穫量を得る)で、バイオマスと同量(炭素循環 例1=炭素換算3.5ton(乾物量8.8ton)/ha)。自然の循環からみた基準量は、その2~3倍量ほど。これなら作物の収量も慣行栽培の2~3倍が可能。』

の部分。

 

ざっくりまとめると、

最低でも、その土の中に活きている生物量(バイオマス)と同等の有機物があれば、慣行栽培と同程度の収量が見込める。

自然の循環(森林レベル)に相当する量、つまり上記の2~3倍の有機物あれば、収量も慣行栽培の2~3倍になる。

という感じ。

 

あと

 

『緑肥作物の収量と目的の作物の収量は比例します。基本的には、これだけの量を圃場内で循環させればよく、外部から持ち込む必要はありません。』

緑肥をちゃんと育てて循環させれば基本OK(自然循環に相当する量を達成できる?)

 

『緑肥(登熟させる)の栽培期間が必要である。主作物+緑肥作物/年が限度。』

で時間がかかるから、一部ないし全部を外部から持ち込んだ方が早いですよ

 

ということらしい。


そしてもうひとつ。

必要な炭素量について気になる記述が以下(長かったから引用囲みを分けたけど逆に見にくい?)。

 

まず、その土地で育つ緑肥作物の最大量=循環量の目安(下限)という話。

それを『潜在自然植生による有機物純生産量の推定値』という言葉を使って説明してる。

熱帯では有機物に対する応答速度が速く非常に敏感。作物残滓程度では肥沃度が急速に落ちてしまい、清浄度も上げられず作物が育たなくなります。過度の浄化は「生かす」という目的に反します。適正な有機物(炭素)量はその地方の、潜在自然植生による有機物純生産量の推定値が基準。これは「私ならこれだけですよ」と神様が手本として示した、最低限度の循環量と言えます。
それ以上でも構いませんが、以下では自然に逆らう行為。その結果が過敏症。この量はその土地の、緑肥作物(炭素固定量が最大になったイネ科)の生産量とほぼ同じ。循環量(作物分は除く)の目安です。

https://tan.tobiiro.jp/qa/qa3.html#Q9

 

続いて各用語の解説と、あとポイントにだと思うのは『森林の有機物純生産量』。

森林レベルだったらこのくらいの有機物を作るよって話。

有機物分解期間: 熱帯雨林1年。温帯4年。亜寒帯30年。
潜在自然植生: 人為的影響を排除した時、その時点で成立しうるであろう最も発達した仮想の植生。(チュクセン 1956年)。
有機物純生産量: 有機物合成量から自己消費量を差し引いた正味量。
森林の有機物純生産量(ha/年/乾物): 熱帯雨林30~40ton。温帯照葉樹林21ton ・温帯落葉広葉樹林9ton(平均的混交林15ton)。亜寒帯針葉樹林11ton。サバンナ4~7ton。(炭素量なら50%)
緑肥作物(炭素固定量が最大になったイネ科)の生産量: 30t/ha/一作。

 

温帯で9~21トン/ha/年/乾物ってみると、数値の大きさにマジかってなるけど、

緑肥をMAXで育てた場合の炭素量は30トン/ha/1作 らしいので、超えているなぁと。

 

ちなみに、30トン/ha=30kg/a

これは前回の記事で引用したこの記事とほぼ同じデータ。

MEMO:緑肥はどのくらいの面積育てると、どのくらいの炭素分になるのか?

 

緑肥(えん麦)をちゃんと育てられれば、森林並みの循環を達成できるってこと…なのか?本当に?

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