「なぜ雑草は栄養のなさそうな道端で育つのか?」
長らく謎だったこの問に対して、一つの答えが見つかりました。
それが「菌類との共生」です。
多くの植物は菌類と共生しています。茎とか葉とか、人間と同じように身体の色んな部分で共生しているらしいんですが、現在僕が注目しているのが「根」です。
多くの植物の根には「菌根菌(きんこんきん)」という菌類がいます(似た名前で根粒菌(こんりゅうきん)というのもいます)。
名前の成り立ち的には菌根+菌。
「菌根」を形成する「菌」類のことです。
菌根というは、植物の根の周りに菌類が作り出すネットワーク(網)のこと。
彼ら(菌根菌)は植物の根の部分にいます。
植物の根を見たことがあると思いますが、あのもじゃもじゃしたところに菌根菌は住んでいます。
では、彼らは植物の根で何をしているのか?
ギブアンドテイク生活をしています。
菌根菌は、植物が光合成で作り出した養分(糖)を受けとる代わりに、植物にとある栄養素を提供しています。
その栄養素とはリン(P)。
リンは植物の成長に必須の栄養素です。
そして結構土中に存在している、、、のですが、植物の根が直接吸収できない形(化合物)で存在していたり、窒素のように水に流れて移動しない栄養素のため、植物の根が出会えなかったりします。
そこで活躍するのが菌根菌。
彼らは植物の根から菌糸を伸ばします。
菌糸を伸ばして、菌根と呼ばれるネットワークを形成。
そして、根の届かないところにあるリンを取ってきてくれるのです。
これが植物と菌類のギブアンドテイク。
養分をもらう代わりに、栄養素を提供する。
なので「栄養なんてなさそうなのになぜ雑草は道端で成長できるのか?」への一つの答えは、菌類との共生関係を築いているので、道端のような栄養の乏しい場所でも育つことが出来るという風になります。
当然これら共生は、私達の食べる野菜でも同様に起きています(アブラナ科はないかも?)。
そして、現在取り組んでいる自然農は、これら「共生関係」や「植物自身のポテンシャル」をフル活性させて野菜を育てられる方法だと解釈しています。
今自分の中で菌類ブームが起きているので、また面白いことがわかったらシェアします。