野菜・果樹栽培へのこだわりと基本姿勢についてご紹介。
こだわり
日本にはたくさんの農家があり、それぞれの農家が何かしらのこだわりを持って作物を育てています。
ある人は有機栽培にこだわっていたり、ある人は野菜の糖度にこだわっていたり。
百の農家があれば百のこだわりがあると思っています。
そんな中で私がこだわっているのが、
”普通に”野菜を育てる
ということ。
『普通に野菜を育てる』とは、他の草本植物が自然に育つのとなるべく同じように野菜を育てること。
つまり、天候変化や他の生物との共生・競争の中で野菜を育てることです。
もっと具体的に表現すると、肥料を使わず、農薬を使わず、トラクターや耕運機で土を掘り返さず、草を無闇矢鱈と駆除せず、ビニールマルチも極力使わず、人間の手出しを最小限にして育てること。
これが浅見園の考える”普通の”育て方です。
肥料や農薬を使わないことが目的なのではありません。
普通に育てる=野菜の生命力を100%引き出すのが目的です。
無肥料無農薬などはそのための手段と捉えています。
こういうと、放置栽培と勘違いされることがあるのですが、そうではありません。
あくまで収穫のための栽培なので、放置・放任することはありません。
例えば、、、
植物がしっかりと根を張れる環境を作るため、排水や採光を意識した畝を立てます。
畝の保湿や微生物活動を活発化させるための草マルチ(刈った草を敷いておくこと)を行ないます。
時には野菜の適度な成長を促すために周辺の草を刈ることもあります。
あまりに乾燥が続くときは水やりを行うこともあります。
より優れた種を残すため自家採種を行ないます。
このように、植物が育つための最低限のサポートは行っています。
(というかむしろ、これ以上の手出しは逆に植物の健全な成長を妨げる可能性があると考えています。)
そして、うちの野菜を見て・触って・嗅いで・味わってくれた人に
「今まで食べてきた野菜となにか違う…!」
と感じてもらえるよう日々精進しています。
基本姿勢
人間の手出しを最小限にして育てる
野菜の生命力を100%引き出す
天候変化や他の生物との共生・競争を経験した野菜を育てる
このように野菜を育てるために、常日頃意識していることがあります。
それは、
『常識とされていることや些細なことに疑問をもち、自分の目と手で確かめる』
という姿勢です。
農業の世界には”常識”とされていることがたくさんあります。
- 肥料をやらないと栄養不足になる
- 草が生えてると野菜の栄養を奪ってしまう
- 耕すと土が柔らかくなる
- 酸性土壌を石灰で中和する必要がある
等々。
こうしたことが農業だと当たり前のこととして認識されていますが、それは本当なのかと。
例えば、肥料無しだと野菜はどうなるのでしょうか。
あるいは、草が生えていることは野菜にとって本当にマイナスなのでしょうか。
このように「そういう話は聞くけど、自分の目で確かめたことはない」類のことを積極的に調べていく、実験していく。
この姿勢を常に持つようにしています。
他にも、最近調べた些細なことの例として、
- 畑の表面の土が乾いているとき、内部はどのくらいまで乾いているのか
- そこに水をかけた場合、どのくらいかけるとどのくらい内部まで浸透するのか
などがあります。
こういう些細ながらも、意外と知られていないことも、積極的に調べるようにしています。
これら一つひとつの疑問と実験が、『普通に野菜を育てる』ことにつながっていくと考えています。